yukemuriのブログ

コント(掌編小説),いろはカルタ随想、江戸川柳色は匂へ、花かるた色は匂へ、趣味の5・7・5アラカルト俳句と川柳。

新しく「江戸を見れば」265年の整理に取り組んでいます。

いろはかるた噺考 5  「ほ」

【仏の顔も三度】(上方)


 人間のような仏様ですな。仏の顔は無限度。仏は何度、同じことを繰り返しても受け入れてくれる。仏の慈悲は無限度です。二度までは大目に見よう。三度目は許さないぞ。


 仏をだしに使った人間の浅知恵で、自分を仏になぞらえて人間のがめつさを隠す戦法で「脅し文句」に「三度目はダメだぞ」と使い始めたのであろう。


 江戸時代になると経済活動が活発になり利潤追求型の社会へと変貌してきた。
 その結果、「みな色と金じゃとゑんま帳を繰り」と、地獄の沙汰も金次第の価値観で行動する人が増えはじめた。
 それと並行して、伝統と習慣が都会の享楽に飲み込まれて仏教や信仰の伝統と習慣までが崩れ始めた時代である。


 更に崩れて、世界中が金、金、金の社会へと突っ走る。


すねをかじりに  日参すれば  金のなる木がネ
  ゴーン ゴンと  ダンチョネ



【骨折り損のくたびれ儲け】(江戸)


 上方では「しんどが利」しんどいのが利益という。利としてしんどさだけが残る。
「骨折りのしんどい仕事」はその中に体験の知恵として多くのものを学習させてくれるのだが、なかなか凡人には理解しがたい。


 江戸時代の庶民の生活は、骨を折るほどの仕事をしても利益にならなかったのであろう。利益追求型の環境では「利」にならないことはすべて「徒労・無駄」として処理される。
 今、奉仕活動を無償奉仕として定着させようとしているが、政治や利益追求型の人たちにうまく利用される可能性がある。悲しいことである。




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