yukemuriのブログ

コント(掌編小説),いろはカルタ随想、江戸川柳色は匂へ、花かるた色は匂へ、趣味の5・7・5アラカルト俳句と川柳。

新しく「江戸を見れば」265年の整理に取り組んでいます。

つぶやき 103  彼を見ていると永井荷風と重なる

 同級生に永井荷風を彷彿とさせる友がいる。


 ほかの同級生や親戚一同は彼を遠ざけて付き合う人はほとんどいない。何故か私と馬が合うのか適当な距離を置きながら長いことの付き合いが続いている。


 何といっても現職を退いてからの彼の風貌やスタイルが荷風に似てる。


 雨に関係なく外出するときは黒の蝙蝠傘を右手に持って、左肩にショルダーバッグをぶら下げて飄々と周りの景色を眺めながら歩くともなく歩いて移動していく。


 ある時彼に聞いてみた。
「雨も降らんのに傘を持って歩くんだ。」
 彼の言うことには杖の代わりでもあるが、一番の理由は苦手な犬や凶暴な人間に出会った時の武器にするということであった。
 そういえば彼は剣道三段の腕前である。


 次に彼の方からバックの中身を見せてくれた。10万円ほどの入った財布と貯金通帳が三冊、総額3千万を超えていた。そのほかに親からの遺産としての土地や家屋の権利証が入っていた。


「何でこんなの持ち歩くんだ。バックをなくした時は大変だぞ。」
「別に理由はない。いつでも好きな時に好きなところで生活できるように持って歩いているんだ。」


 彼が現職の時に彼の妻は子どもを二人連れて家を出ていった。女の子と男の子で40代になっているはずである。


 平成の永井荷風だ。


 永井荷風のように文章を書くわけではないが、生き方は荷風そっくりだ。
 一人ぐらいこのような友がいるのも人生を楽しくさせる。


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 遊行ライフ十人十色

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