yukemuriのブログ

コント(掌編小説),いろはカルタ随想、江戸川柳色は匂へ、花かるた色は匂へ、趣味の5・7・5アラカルト俳句と川柳。

新しく「江戸を見れば」265年の整理に取り組んでいます。

江戸を見れば91  芭蕉50歳  物いへば

 1693年元禄6年癸酉(みずのととり)8月10日、西鶴52歳で没。同27日に門弟の嵐蘭が47歳で没。甥の桃印が33歳で芭蕉庵にて死去。


 座右之銘、人の短をいふ事なかれ、己が長をとく事なかれ


物いへば唇寒し穐(あき)の風
 (この句をつぶやいては、座右の銘を思い出し苦い反省の繰り返しであるよ。)


夕顔や酔(よう)てかほ出す窓の穴
 (暑い夏、やっと夕暮れようとしている。晩酌に酔うて小窓から顔を出すと夕闇の中に
  夕顔の花が白く咲いている。)


蒟蒻のさしみもすこし梅の花
(精進料理の蒟蒻の刺身で、梅の花に故人を偲び夕べを過ごした。)


秋風に折(をれ)て悲しき桑の杖
 (嵐蘭が逝った。丈夫な桑の枝が突然折れるように秋風の吹く中で死んでしまった。な
  んと悲しいことであろうか。)


いきながら一つに氷(こほ)る海鼠(なまこ)哉
 (あまりの寒さの中で、海鼠は生身のまま全身はおろか腸(はらわた)までも凍りつい
  て氷塊となってしまった。)


 この年は芭蕉の身近な人たちが相次いで亡くなった。兄の息子で猶子として面倒を見ていた甥の桃印、西鶴、嵐蘭と持病のある50歳の芭蕉には心身ともに大変な負担であったろう。


http://www.ctb.ne.jp/~bonta108 遊行ライフ なみだ橋


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