yukemuriのブログ

コント(掌編小説),いろはカルタ随想、江戸川柳色は匂へ、花かるた色は匂へ、趣味の5・7・5アラカルト俳句と川柳。

新しく「江戸を見れば」265年の整理に取り組んでいます。

江戸を見れば82  芭蕉41歳 大老堀田正俊刺殺される

 1684年天和4年甲子(きのえね)武断的傾向もった堀田正俊は文治的立場をとる綱吉と相容れず多くの批判を受けていた。
 8月に江戸城中にて従兄弟の若年寄の稲葉正休の私怨のために刺殺され、正休もその場で惨殺される。
 この事件の後は大老・老中の存在は形式的となり、綱吉は側用人を通して文治的政策を推進していった。時の権力者として側用人の存在が続く。


 8月中旬、門人の苗村千里(ちり)を同行して「野ざらし紀行」の旅に出る。41歳の32句のなかより3句紹介。


出立吟
  
野ざらしを心に風のしむ身哉   芭  蕉


 風雨に晒されている野山の白骨が心に浮かぶ。覚悟して旅に出ようとす
る我が身に秋風がしみいることよ。


しにもせぬ旅寝の果てよ秋の暮   芭  蕉


 覚悟しての旅立ちであったが、幸いに命をつないで旅寝を重ねて暮秋を迎えた。


年暮(くれ)ぬ笠きて草鞋はきながら    芭  蕉


 人々は年の暮れで忙しく働いているが、この自分は笠をつけて草履をはいたままである。故郷の年の暮れの郷愁をしみじみと味わうことであるよ。