yukemuriのブログ

コント(掌編小説),いろはカルタ随想、江戸川柳色は匂へ、花かるた色は匂へ、趣味の5・7・5アラカルト俳句と川柳。

新しく「江戸を見れば」265年の整理に取り組んでいます。

江戸を見れば 64 芭蕉23歳   「左様せい様」

 1666年寛文6年丙午(ひのえうま) この年酒井忠清は老中から大老になった。将軍家綱公は生まれながらの温和柔弱の性質で万事にわたり「左様せい」と政務を執行する最高機関にお任せであった。
 文治政治家といわれる大老酒井忠清の独裁時代に入る。


 芭蕉23歳の句の中から3句を紹介しよう。

年は人にとらせていつも若夷(わかえびす)   宗 房

 正月になると売りに来る若夷のお札の姿はいつも変わらない。きっと人にばかり歳を取らせて、自分は歳を取らないせいであろう。季語は「若夷」で春(新年)

夕㒵(ゆふがほ)にみとるゝや身もうかりひよん   宗 房

 参考、干瓢の瓢をひよんという。実を取るとみとるる(見惚れる)の掛詞。季語は「夕顔」で夏。
 夕顔の咲き匂う花に見とれた。この実を瓢(ひょん)などと言うが、夕顔の美しさについうっかりひょんと時を過ごしてしまったことだ。

時雨をやもどかしがりて松の雪   宗 房

 参考、「新古今・恋一」慈円の歌「我が恋は松を時雨のそめかねて真葛が原に風さわぐなり」
 時雨が木の葉を染めて紅葉にすると言い伝えられているが、松の緑はそめかねて、じれたっく思って雪が松の枝に降り積もったのであろうか。季語は「雪」で冬。


 貞門俳諧の技法を忠実に受け継いだ句である。