yukemuriのブログ

コント(掌編小説),いろはカルタ随想、江戸川柳色は匂へ、花かるた色は匂へ、趣味の5・7・5アラカルト俳句と川柳。

新しく「江戸を見れば」265年の整理に取り組んでいます。

つぶやき 84   なつかしい往復びんた

 中学2年生だったと思う。大の仲良し、小学校からの友達と私は大柄なN先生に呼び止められて、「往復びんた」をもらった。何故、「報復びんた」をもらったのかその時は分からなかった。

 それからも友と「往復びんた」の話になると理由がわからないままに大人になった。

 二人ともおとなしくまじめなタイップで清掃時間もしっかりと働いていた。あの時、周りに中学校きっての悪ガキが居て大騒動をしていた。本当はその悪ガキに「往復びんた」をやりたかったのではなかったのではという結論に達した。

 友は幼児の頃、眼を患い片方の眼が義眼であった。それでも屈託もなく明るい性格で私の最大の友であった。

 彼は高等学校を出て直ぐに関西の方へ出て就職をした。
 都会の生活が合わなかったのだろう数年後に彼の死を知った。

 先輩の軍事教練や学徒動員の話を聞いているうちに、私と彼を一つにした主人公の「報復びんた」鎮魂のコントができあがった。題は「黙とう」である。

「黙とう」を読むたびに彼のことを思い出し、得も言われぬ涙がこみあげてくる。

    これから幾たび「黙とう」をするのであろうか。