yukemuriのブログ

コント(掌編小説),いろはカルタ随想、江戸川柳色は匂へ、花かるた色は匂へ、趣味の5・7・5アラカルト俳句と川柳。

新しく「江戸を見れば」265年の整理に取り組んでいます。

5・7・5アラカルト  川柳22

 海に生き抜いて墓みな海へ向き   渡部銀雨

 学校を出て初めて赴任したところが漁師町であった。


 坂のある街の斜面の上の方にこの街の墓地がある。墓はみんな海に向かって、街並みを見下ろすように海を眺めるように立っている。


 夕暮れになると墓に明かりがともり、だんだんと町が暗闇の中に浮かんで、やがて消えていく。


 海に生きた男たちや彼らを支えた家族たちの物語が語り継がれていく。そんな漁師町で6年間を過ごした。その間に結婚をして子どももでき家庭の基礎が整った。そして巣立っていった。


 この漁師町は私を育ててくれた故郷である。感謝一杯である。