yukemuriのブログ

コント(掌編小説),いろはカルタ随想、江戸川柳色は匂へ、花かるた色は匂へ、趣味の5・7・5アラカルト俳句と川柳。

新しく「江戸を見れば」265年の整理に取り組んでいます。

江戸川柳 色は匂へ  「ひ」の2 人魂 3 緋縮緬(ひぢりめん)

間に合はぬ医者人だまを道で見る   遅かったのね。成仏を。


上戸の人玉やったらに跡を引     酒のみはこれだから。いや。


人魂の頓死と見えて矢のごとし    はやかった。光陰矢の如し。


人魂も労咳やみはぶらぶらし     ぶらぶらと栄養ばかりとりまして。


金もちの人魂行きつ戻りつし     残した金が気にかかる。


うねくって飛ぶ人魂はしうとばゞ   曲がって、厳しいばゞの影


間ぬけな人魂ひるてんに引かゝり   カスミ網(ひるてん)にかかるなんて。


抱きつかれるも人玉のおかげ也    一期一会のご縁かも。


3 緋縮緬


飛石がちらりと見せるひぢりめん   蹴だしちらりと料亭の庭
                  蹴だし=腰巻の上に重ねて着るもの。


緋ぢりめん虎の皮より恐ろしい    虎のふんどしが何でえ。


緋ぢりめん少しは風も吹かせたし   今も昔も風だのみ。神風さーん。


緋ぢりめん白い所をなめるやう    柔らかいいい風だ。


江戸川柳 色は匂へ  「し」の2 始皇帝 3 叱る、呵る

いさめるとあなだと始皇おどす也   禁固、投獄、情報で潰す現代。


 始皇帝=秦の皇帝、焚書坑儒を命じた独裁者。昭和10年代の日本の軍閥政府も禁固し、投獄し、また、危険な戦地に配属した。


3 叱る、呵る


女房をしかりすごしてめしをたき   なんであんなに叱ったのか、後の祭り。


女房をしかると膝でべそをかき    べろべろばあ。よしよし。金坊よ。


しかられるたびにむす子の年が知れ  もう、いくつになったんだ。ほんとに。


しかられて今朝出たまゝと母苦労   しかればしかったで、心配の種。


美しさ叱られぶりのいゝ女房     叱られても泣いても様になる。いい女。


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色は匂へ湯の街べっぷ: 「ち」江戸川柳色は匂へ & いろはカルタ随想




江戸川柳 色は匂へ  「み」の2 水茶屋 3 神子(みこ)

水茶屋の娘の顔でくだす腹    腹をくだすまでお茶を飲む馬鹿。


 水茶屋=葉茶屋・料理茶屋・色茶屋・出会茶屋などに対してお茶を飲ませる茶見世。浅草の二十軒茶見世が有名。


 今も昔も美人を置いて客を呼ぶのは同じ。


さわらば落ちん風情にて茶やはやり   誤解させる方が悪いのか。誤解する方が悪いの
                   か。
水茶屋でせいいっぱいが手をにぎり   純なお方。朗報があるよ。


うら表ある水茶屋ははやるなり     社長さん。別室あるよ。


3 神 子


神子の舞いやな目をすゑ腰をすゑ    神に奉仕する女をそんな目でみる。


弁天のようだとはやる神楽堂     そろえましたねえ。美女軍団。




江戸川柳 色は匂へ  「め」の2 妾  3 名物

 江戸時代、妾は合法であった。芭蕉は結婚をしなかったが妾は持っていたようである。
 なお、江戸では「めかけ」上方では「てかけ」というそうである。目をかけるか。手をかけるかの違いはあるが、役割はどちらも同じ。


御主人と思はぬめかけ首尾がよし    奔放、大胆さに惹かれるものだ。


めかけのはねだり下女のはゆすり也   非合法の弱み。ゆすられますよ。


めの字からへの字になるとつけ上り   世継ぎを生んだお部屋様、様。


おめかけの威勢は股で風を切り     小股が切れ上がって粋だね。


3 名 物

しぎ立沢で蒲焼を弐百食ひ       神奈川大磯の渓流で蒲焼


心なき身にもあはれは知られけり鴫立沢の秋の夕暮(西行)も蒲焼食ったのかなあ。


さざゐ殻海へぶち込むさった坂     さった峠の下の海でサザエを喰って、駿河湾に
                   浮かぶ富士を見ながら、峠越えだ。


俗な道の記あべ川をほめてあり     静岡の安倍川餅か


丸子の喧嘩すりこ木をやたら出し    静岡名物丸子のとろろ汁


もう降ってもよいと飴の餅を喰い    東海道小夜の中山飴の餅


日坂の山を旅人が喰ひへらし      掛川日坂(にっさか)宿のわらび餅


武者はなほ酒まできつい三河もの    愛知三河の鬼ころし


蛤はため小便をたれて食い       三重は桑名の蛤よ


広いこと馬も乗込む姥が餅       滋賀県草津のうばが餅


  東海道、道中記を書く代わりに名物を喰う。いつまでも腹に残る。

江戸川柳 色は匂へ  「ゆ」の2 湯上り 3 雪

湯あがりは玄宗以来賞美する     湯上りが一番。まいった、まいった。


女房を湯にやり亭主酒をのみ     心置きなく・・・飲めるぞ。


不都合さ亭主湯あがり女房酒     逆も真なり。ゆっくり飲みましょ。


3 雪


銭のない雪はこたつと首ッ引      金があればどこへでも行くが、炬燵にかぎる。


此雪に馬鹿ものどもの足の跡     つわものどもが懐かしい。


雪の朝女房は逸をもって打つ     休養十分にして朝帰りの亭主を待つ。


参考=孫子の兵法、「逸(いつ)を以て労を待つ」動かずに相手の疲れを待つ。朝帰りの
   疲れた亭主を懲らしめる。


かゝあもう思い切りゃれと雪の朝   どらは帰ってこないよ。勘当だな。


おそろしきものゝ喰たき雪の空    ふぐはくいたし、死は怖い。


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