yukemuriのブログ

コント(掌編小説),いろはカルタ随想、江戸川柳色は匂へ、花かるた色は匂へ、趣味の5・7・5アラカルト俳句と川柳。

新しく「江戸を見れば」265年の整理に取り組んでいます。

江戸川柳 色は匂へ  「ね」の3 年明(ねんあき・ねんあけ) 4 ねんごろぶり(念比ぶり)

年明キの古郷へにしき脱いで來る  きびしい老後が待っている。


 参考 年明=奉公の年季が終わること。遊女の年明は27歳ころ。古郷へ錦=諺、故郷
   へ 錦を飾る。錦を着て故郷へ帰ること。遊女の年明きは勤めできた立派な衣装を
   脱いで粗末な衣装で帰郷する。


運のない年明き茅屋へもどり    運よく玉の輿に乗る人もいる。


年明ケの女らしいも二三年     二三年が勝負ね。がんばらなくっちゃ。


案の定去られたあとへ年が明け   そんな事だったのか。離縁したのは。


局の年明き甥や姪にかかり     子どもがいない局の老後。さみしいね。


 4 ねんごろぶり


湯屋へきてねんごろぶりはそばへぬぎ   わかるわかる。そばに居たいもん。


 参考 ねんごろぶり=親愛感を表現すること。


居酒屋でねんごろぶりは立てのみ    自由だね。のびのびと。


居酒屋のねんごろぶりは味噌をなめ   常連の顔やで。


煮売やのねんごろぶりはつまみぐい   煮魚・煮豆で酒も飲める。


 今も昔も居酒屋は庶民のたまり場としての役割を十分に果たしていた。
 これからの時代は益々たまり場としての居酒屋やカフエが流行るだろう。



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 遊行ライフ

つぶやき 124   後ろから撃つ男

 政権幹部が「自民党員は苦しい時に後ろから弾を撃つタイップを一番嫌う。」と石破氏を攻撃している。


  石破氏は後ろから弾を撃っていない。堂々と前から弾を撃っている。


 正論を言う人を攻撃するときに幹部はよく「後ろから弾を撃つ男」と言って非難攻撃をする。


 要は、後ろからであろうと前からであろうと正論を言う人が嫌いなだけである。


 現政権を見ていると日大アメフト問題と重なって一つの組織ができればみんな同じような問題を抱えているのだなあと実感してしまう。


 撃つ人、正論を言う人がいなくなると組織はやりたい放題でやがて潰れていく。国民の意見も「後ろから弾を撃つ国民」ぐらいにしか考えていないのではなかろうか。


 後ろからでも前からでもいい「味方を正論で撃つ人」を国民上げて支援をしていかなければ国が亡びる。


 外からは見えない問題を内部から告発していく人たちをどう支えていくかは国民にとって大きな課題である。


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江戸川柳 色は匂へ  「つ」の3 通詞(つうじ・通事) 4 塚

 ほれたのを通詞壱人がおかしがり   因果な役目でござる。


 参考 通詞=通訳官、長崎に住み唐通詞、おらんだ通詞がある。長崎丸山の遊女に惚れての問答を通訳する。通詞はおかしくもあり馬鹿馬鹿しくもある。


 通詞さへ口舌の時はあきれはて    いい加減にしてよ。うんざり。   
   口舌(くぜつ)=痴話げんか。


 来朝に通詞もいらぬ雪の峯    この美しさ。通訳いらない。最高。
   来朝=外国の使者が日本に来ること。 雪の峯=富士山


4 塚


 迷子の塚で名所が一つふえ   永遠に語り継がれる塚を、日本国として。


 参考 謡曲「隅田川」の梅若塚。梅若丸(吉田少将の子)が人買いに誘拐されて東国に
   下り、隅田川の畔で病死。木母寺(もくぼじ)で法要が修される。


 日本の外聞になる塚一つ  本当に評判になる塚をつくろう。あるだろう。


 参考 京都の豊国神社にある耳塚、朝鮮人戦没者の供養塔。文禄・慶長の役で諸将が敵
   兵の耳を切り取り塩漬けにしたものを秀吉が検分して埋めて供養をした。
   外聞=他人に聞かれること、自分についての世間の噂。評判。面目。名誉。


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江戸を見れば 109 新井君美(きみよし・白石)という男

 新井君美の祖先は上野国新田郡新井村(群馬県太田市)の土豪であったが、豊臣秀吉の小田原征伐で没落。後に父正済は上総久留里(くるり)藩に仕官し目付(監察官)をつとめる。
 白石は明暦の大火の翌日明暦3年(1657年)2月10日に焼け出された避難先で生まれた。
 新井 白石(あらい はくせき)は、江戸時代中期の旗本・政治家・朱子学者。一介の無役の旗本から学問をもってここまで上り詰めた。


 現代のトップ官僚、事務次官クラスである。


 白石は朝鮮の來聘使(らいへいし)に対して接待法が鄭重であったのを改めて軽くした。
 5月には、儒教的倫理を強調した風俗令を出した。これこそ白石の基本的施策である。
高札で江戸日本橋詰、京三条橋詰ほか各地の高札場に出された。


  第一部
① 親子・兄弟・夫婦をはじめ親類は親しくし奉公人までも憐み、主もちのものは奉公を怠ってはならない。
② 家業に専心して万事に身の分限を過ぎてはならない。
③ 嘘をつき無理をいって人の害になることをしてはならない。
④ 賭博などは一切禁止。
⑤ 喧嘩口論をつつしみ、手負者を隠しおかない。
⑥ 鉄砲の乱用禁止。
⑦ 盗賊・悪党の通告。
⑧ 死刑執行場所に駆け走らない。
⑨ 人身売買の禁止と永年季・譜代奉公の承認。


  第二部
① 毒薬・偽薬の売買禁止。
② 貨幣の偽造禁止。
③ 寛永通宝新銭は金一両に銭四貫文で交換させる。新銭は金一両に銭四貫文の交換とする。
④ 新銭と銭座以外の鋳造禁止。
⑤ 根拠のないことを書いた書物の売買禁止。
⑥ 職人の手間賃値上と商人の占売・物価の釣上げの禁止。
⑦ 徒党の禁止。


 第一部九条、第二部七条の風俗令をみると江戸の社会が手に取るようにわかるし、それは現代にも通用する一面を持っている。


 新井白石の提言は具体的で庶民や幕府の課題をよく捉えている。


 第一部 ③ 嘘をつき無理をいって人の害になることをしてはならない。などは現代の国会を見ていると、生き方の基本はいつの時代も普遍的なものである。つい、納得してしまう。


 新井白石のことをもっと調べたいという関心が出て来た。
 学問は朱子学、歴史学、地理学、言語学、文学と多岐に亘る。また詩人で多くの漢詩が伝わる。白石は号で、諱は君美(きみよし、有職読みで きんみ)。


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江戸川柳 色は匂へ  「そ」の3惣仕舞(そうしまい) 4杣(そま)

 惣仕廻けっきの勇と茶屋はとめ  (取りつかれるとこんなことになる。)


 参考 惣仕舞=一軒の妓楼の遊女を全部買い切ること。妓楼=女郎屋、遊女屋、青楼。
   遊びなれない男は見栄を張って一人の遊女のために総あげ惣仕舞をするような馬鹿
   なことやってしまう。妓楼は儲かるが茶屋は儲けにならないシステムになってい
   る。だから茶屋の人は本音を言う。


 御茶ひきも煎じ出さるる総仕舞  (全員集合でむしり取られるバカ息子。)


(お茶引き=客のないこと。その縁語でかり出されることを煎じ出さるると言った。)


 壱人さへ買かねるのに惣仕舞  (今も昔も、あるところにはあるものだ。)


4 杣(そま)きこりのこと。


 やめば切る木陰に杣の雨舎(あまやど)り (いい句だ。蕪村の句を思い出す。)


 木の枝に杣の昼飯ぶら下り   (こんな一句をひねりたい。)


 参考 杣=木材を切り出す山、また、大きい建造物の用材を確保するために所有する山
    林。また、杣木を伐り出すことを業とする人。そまびと。きこり。


      このような一句に出会うと川柳と俳句の区別が難しくなる。