yukemuriのブログ

コント(掌編小説),いろはカルタ随想、江戸川柳色は匂へ、花かるた色は匂へ、趣味の5・7・5アラカルト俳句と川柳。

新しく「江戸を見れば」265年の整理に取り組んでいます。

つぶやき26  政治は国民の生活をコントロールするのが仕事

 国民生活のあらゆる分野で政治が法律という掟でコントロールしている。
 最低賃金から扶養家族手当、酒やビールの値段から交通機関の運賃まで、あらゆる生活が法律という掟で統制されている。


 政治が国民のために働いているかどうかを科学的に研究していくのが「学問」である。政治学、経済学、法律学、教育学、医学、哲学、倫理学と現在大学にある学部はすべて国民の究極的な幸福を科学の目を通して研究していく機関である。


 世間で言われている「学者先生」がその役目を果たしているかと言えば大多数の学者が国民のための研究や成果を公表していない。


 情報化社会と言われる現在、マスコミ関係者の果たす役割は一国の政治を動かすだけの役割を持っている。


 今、マスコミは国民に本当に必要な情報を偏りなく正しく提供しているか。疑問である。国民一人一人が正しい情報を共有するのは極めて困難である。


 先ず、マスコミが本来の姿を見せてほしい。


いろはカルタ 「ふ」 江戸と上方

 文はやりたし書く手は持たぬ(江戸)

『恋文を書きたいが、字が書けないのでできない、また、恥ずかしくて代筆を頼むこともできない。』


 字が下手な私は恋文なるものを一度も書いたことがない。
 幸いに電話の普及した時代で音声による意思疎通ができた。


 声や話術には、そこそこに自信があった。学生時代に民放の放送劇団に籍を置き声優を目指して毎夜練習に出かけていた。
 しかし、字のうまい友達に接すると羨ましく、自分の字のまずさにおののいていたものだ。ところが大学の書道の演習で「優」をもらってびっくりしてしまった。それでも字を書くのは苦手で七〇歳を過ぎた今でも字を書くことに劣等感を持っている。


 親戚の中にとても素敵な字を書く男がいる。賀状や暑中見舞いを手にして、大きなため息をつく。



 武士は喰はねど高楊枝(上方)

【武士は対面を重んずるので、たとえ空腹でもゆうゆうと楊枝を使って空腹の意を見せない。】


 公務員の生き方が社会の在り方に大きな影響を与えている。政治家、官僚、国や地方の一般公務員の生き方を見ていると国のレベルが分かる。
 教育委員会の汚職事件は、公務員の乱れとその県の県民レベルを如実に表出してしまった。この事件は県だけの問題ではなく日本全体の日本人のレベルを垣間見ることができた。


 先輩の参事が、「一本、一本と言っても酒一本じゃねえんで」と、後輩との宴席でおしゃべりをしていた。それからすぐに「二本」が相場になってしまった。
 その時は何のことであるのか理解できなかったが、教育委員会の汚職事件が発覚し新聞を見て教員採用試験に関わる一人の相場が「二本」であるということを理解した。


 同じ公務員であっても分からないことだらけである。公然の秘密として大手を振ってまかり通っていることに愕然とした。口利きと謝礼は日本の文化であったが、それにしても桁が違う。



コント24   仮  面

 彼女はいつものように彼の帰りを迎えるために駅の西口、向かって左の入り口の端の方に立っていた。出札口から出てくる勤め人の中に彼の姿を求めていた。


 出札口から出てくる客がまばらになり、一段落ついたけれども彼の姿は現れなかった。結婚して三年経ったがこんなことは一度もなかった。次の電車を待ったが次の電車にも彼の姿は現れなかった。何かあったのではと思いながら彼女は駅を後にした。


 11月の風は冷たい。日の入りが早くなり、夜のネオンが暗さの中に浮かんで見えた。西口駅から15分ほど歩いた静かな地域のマンションに住んでいるので交通の便は申し分なく環境は満点に近かった。


 彼女が西口駅から30メートル程離れた時、40代ぐらいの男に声をかけられた。


 「お嬢さん。いかがです。仮面のお遊びをしてみませんか。」


 彼女は男の声を聞き流して静かな歩調で歩いた。


 「進歩しましてね。昼間でも曇った日は見分けがつきません。自分の好みの顔が30分で完成します。一晩結構楽しめますよ。700円です。もしそんな気になりましたらどうぞ。」と言って、40代ぐらいの男は彼女にチラシを手渡した。


 明かりのもとで手渡されたチラシを見た。


 駅裏、3の2 源田浩三 人形師  と、手書きで書かれていた。


 9時を過ぎたが彼は帰って来なかった。彼女は食事を済ませて風呂に入り彼の帰るまでの夜のひとときを過ごした。これまでに連絡なしで遅くなることは一度もなかった。それだけに急に不安になった。不安になると今までに考えたこともなかった想像が頭を過った。


 彼女は今一度彼のアルバムを初めから念入りに観察を始めた。学生時代の写真から始まって現代にいたるまでの写真が几帳面な彼の性格を表すように一枚一枚解説が付けられて貼られてあった。


 彼女が想像したような写真はなかった。ただ一枚だけ上半身の運転免許を受けるときか就職試験の履歴書に貼るものか、若い女の写真があった。


 彼女は彼のアルバムの中からこの一枚の女性の写真をじっと見つめた。どこかであったことがあるような気がした。よく見ると、顔だちのよい清潔な感じがみなぎっている女の子であった。今まで気づかなかったことに驚いた。


 彼が帰宅したのは十時を少し過ぎていた。
 「連絡も取らずに遅くなってごめん。どうにもならない要件ができて、今日は疲れた。」と、彼は優しく今夜の件を説明した。
 いつもの彼とちっとも変っていないのに彼女は安心した。


 しかし、その後もたびたび連絡なしに帰宅時間の遅くなることがあった。そんな時、彼女は何となく不安になる。彼との生活が消えていくのではないかと考え込んでしまう。大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせながら、想像だけは大きく膨れ上がり更に彼女を不安にさせるのである。


 彼女はある日、一つの実験を思いついた。彼のアルバムの中から唯一の女性の写真をそっと剥ぎ取るとコートのポケットに忍ばせて、駅裏、三の二 源田浩三 人形師の家へと向かった。


 椿の花が山の端に入りそうになった夕日を受けて不思議な赤さを増していた。


 源田浩三の家は思ったより随分と大きく古風などっしりとした風情を保ち、金持ちの主人が道楽に「仮面」の趣味を楽しんでやっているといった感じがした。表札とこじんまりとした看板が信頼感を与えた。


 彼女は躊躇することなく源田浩三家の門をくぐった。彼女は先日貰った名刺と例の写真を源田浩三に渡した。
 指示された椅子に腰を下ろすと、その横のスクリーンに、今、手渡した写真が拡大されて投影された。冷たく感じるゴムのようなものを顔に付けられた。数分間はそのゴムのようなものを意識したが、顔が仕上がるにつれて異物感は消えて、自分の一部になっていくのを感じた。


 「終わりました。」と、人形師は鏡を向けた。
 全身映せる等身大の鏡の前に立って、彼女は満足をし、得も言われぬゾクッとする不思議な感情が走った。彼女は以前の彼女ではなかった。料金を支払うと腕時計を見て駅へと急いだ。


 駅から一番近い曲がり角に立って彼が出札口を出てくるのを待った。彼女は彼が出てくるのを確認すると静かに駅の方へ歩き始めた。ごく自然に彼に分かるようにすれ違うだけでよいのだ。その時の彼の様子を見たいのだ。そう思うと体中を異様な血液が駆け巡るのだ。


 遂に彼は見た。あゝ、その驚きよう。これまでに彼のあのような慌てぶりを彼女は見たことがなかった。彼女もこれほどに男性から見つめられたことはなかった。


 通り過ぎる瞬間、彼は立ち止まった。彼女は背中に全神経を集中させて彼の様子を感じ取ろうとした。彼の様子を感じながら駅の雑踏の中に姿を消した。


 化粧室に入ると仮面を水で流した。水の冷たさが頬を刺した。鏡に映しだされた素顔の眼から涙が落ちた。力なく彼女は家に帰っていった。


 彼女の気力のなさとは反対に彼は興奮していた。彼女が玄関を入るなり彼は彼女の手を取り部屋に彼女を引き入れた。


 「逢ったんだよ。若い時に亡くなった妹に。」彼の声は震えていた。彼女はどうしてよいのか分からず彼の胸の中に顔をうずめた。涙があふれた。(ごめんなさい。)と何度も繰り返しながら彼の腕の中で謝った。
 彼は穏やかな声で「逢えてよかった。」とつぶやいた。その言葉を聞いて彼女は深く呼吸をして微笑んだ。


 翌日、彼女は彼のアルバムに妹の写真を確りと貼った。


つぶやき25 10年目の全国学力テストの結果

 10年目の全国学力テストの結果が発表された。あまり代り映えのしない「基礎的な知識は身についているが応用力は不十分」というコメントを10年間読んだような気がする。


 そのために毎年数十億円、10年間で数百億円を使っている策のなさ。文科省のお役人は「目指せ東大」を乗り越えてきた人たちが多い。
その優秀な集団が知恵を出せば有効なことがいろいろとできる。なのに知恵はあるのに知恵を出さない奥ゆかしさ。


 学力テストの目的が消えて、本来なら目的達成の手段である学力テストが目的になってしまった。


 全員参加の全国学力テストでなければだめなんですか。部分的な抽出調査ではだめなんですか。全国統一にランクをつけることが出来ないからですか。


 目指せベスト10を合言葉に直前に過去問を勉強させる。そのために人生の一番大切な家庭科や音楽や美術(図工)の時間を割いて塾に早変わり。


 教育本来の目的が「学力コンクール化」のために「テスト」が目的になってしまう傾向にある。
 数百億円のお金の使い道、何かいい知恵はないものですかね。文科省のお役人様。



江戸川柳 色は匂へ 「る」 留守居

 踊り子に踊れと留守居むりを言い

 留守居は各藩の渉外担当者の俗称で正式には御城使いなどと言って幕府や他藩との折衝をする役なので宴会が多い。


 宴会で踊り子に接する機会が多い留守居役。


 踊り子とは名ばかりで踊ることが出来ない踊り子がほとんどであった。田舎から出てきたばかりの新任留守居役は事情に詳しくないので踊れと言ってしまう。
 そのうちに踊り子の正体を理解でき田舎サムライは軟化していく。今も昔も同じような手口を使って、酒と女と金にどっぷりと浸かって堕落していく汚職事件の始まりである。


 人事権と予算権を手にしたときに事件に巻き込まれる人が多いようである。特に公務員と政治家はくれぐれも注意を。気を付けたからと言って無くなるものではないが。