yukemuriのブログ

コント(掌編小説),いろはカルタ随想、江戸川柳色は匂へ、花かるた色は匂へ、趣味の5・7・5アラカルト俳句と川柳。

新しく「江戸を見れば」265年の整理に取り組んでいます。

つぶやき46  生きているだけで ナイス

 チャオ(こんにちは)


 私が眠っている時も、私が病気の時も、悩んでいる時も、うれしい時も心臓は止まらずに働き続け、人間の体が丸ごとに私の命を支えている。


 生きていることはそれだけでナイスで凄いことだ。


 人それぞれ、十人十色の興味や関心を情報として提供してくれる。自分の知らない世界を知らせてくれる。何と楽しいことではないか。


 歳を重ねると行動範囲が狭くなり、皆さんからの情報が元気のもとになる。ありがたいことである。


 いつも決まったように投稿している人が、投稿のリズムを崩すと「えっ、なにかあったのではないかな、大丈夫かな」と、気にかかる。


 投稿があるだけで、「チャオ」という気分になる。ナイスにはチャオという気分が多分に含まれている。


 私の好きな狂歌


    富士の山夢に見るこそめでたけれ
    路銀もいらずくたびれもせず


              そんな歳になってしまった。


 ブログの中で無銭旅行をし、見知らぬ人と巡り合い明日へのエネルギーを貰っている。


          チャオ(さようなら、また明日、元気で)


江戸川柳色は匂へ  「そ」  添乳(そえち)

 添乳してついせんたくが夢になり

 電気洗濯機のない時代の主婦の生活の様子が想像できる。昭和の20年代の主婦は大変であった。炊事、洗濯、掃除に子育てと夕時には1日の疲れがどっと出て睡眠不足になってしまう。


 洗濯機、電気釜、掃除機が出そろって家庭における主婦の仕事が激変した。
 男でも簡単にできる家事が多くなって男性の家事への参加が増えてきた。男女共同参画の時代背景が整った。


 主婦でなければできない家事がなくなって、女性の役割がぼやけてきた。
と同時に男の役割もぼやけてきた。これからが男女の役割をどうするかが問題になってくる。
 
 男女の役割はなくなっていく傾向にある。


 亭主が仕事から帰ってきても添乳中の女房は強い。


   添乳して棚にいわしが御座りやす

 添乳する女房とセルフサービスで棚のいわしを探す亭主、何かいい風景だな。江戸から昭和20年代頃までの庶民の家庭生活の一コマであった。


コント36    空 気 銃

 勝は、そっと空気銃を握ってみた。


 鉄の重たい冷たさが指先から骨にしみる。外は雪がちらつき南の街にしては珍しく冬らしい一日であった。


 裏山の登り口には5年生になる弟の賢を待たせてある。家族の者たちは仕事で誰もいない。
 空気銃を持ち出すのなら今だ。ポケットの中では空気銃の弾がじゃらじゃらと気ぜわしく音を立て、勝の心を一層不安にさせた。
 「エイッ」構うもんか、その時はその時のことだ。そう決断すると空気銃を引っ提げて裏山へと急いだ。
 弟の賢は、竹藪を背に風をよけて日の当たる枯草の上に座って待っていた。


 「賢、弾を持て。」賢は弾を持つと勝の後に続いて裏山を上り始めた。
 何分間か無言のまま勝と賢は裏山を上った。
 そこは、よく父母と一緒に枯れ木拾いに来る場所で、道幅は60センチぐらいで右手側に沿って杉の木が植えられてあり、杉の木と杉の木の間には小さな松やクヌギがありその根元は茅や羊歯で覆われていた。


 途中、何本かの分かれ道があり分かれ道に着くたびに勝と賢は一休みした。そして、今登ってきた道を一休みするたびに振り返ってみた。


 我が家が木々の間から透けて見え、家の向こうに麦が緑に広がり麦畑や我が家に覆いかぶさるように海が見えた。この海はその昔水軍の基地として戦国時代の交通の要衝であったいう。


 この山を登りつめたところに直径50メートル程の淵があり淵の周りに叢と林があった。この林の中に小鳥は群れていた。たまに雉も見かけるしヒヨドリや百舌鳥が群れていた。


 普通よりも急いで登ったので普通よりも早く体が汗ばみ呼吸も乱れていた。
 暗い小道が切れて、明るい広場に出た。淵には黒く透き通った水が波も立てずに静まり返っていた。


 「撃ってみようか。」勝が不安そうにつぶやいた。


 空気銃の使い道は知っていたが、弾を詰めて自分の指で引き金を引いたことはなかった。初めての経験である。今までに味わったことのない緊張感で体が強張っていた。


 賢の方は自分で撃つのではないから多少は不安に思うのだが別に気になることはなかった。
 「兄ちゃん、撃ってみろよ。」その言葉に連れられて肩から銃を下ろすと二つに折り曲げて弾を詰めて準備をした。


 「賢、肩を貸せ。」


 賢の肩に銃身を載せ淵の水中に狙いを定めた。
 「プッシュ。」と音を立てて黒い水面に弾が突き刺さった。白い泡が水中に残り、銃身の先から微かに煙が出たように感じた。


 別に変ったことは起こらなかった。「なんだ。」勝も賢も今までの心配していた張りつめた気持ちがスーっと消えていった。何発か水中に向かって弾を撃ち込むと二人は林の中へ入っていった。


 鳥の声はするが鳥の姿は見えなかった。木々の枝が重なり合って林が暗く鳥は動かないで声だけなので枝なのか葉っぱなのか鳥なのか区別がつかない。


 注意深く静かに林の中を歩いた。と、賢が兄の背中をつついた。


 「兄ちゃん、あそこ。」賢が指さす木の枝に大きな鳥が止まっていた。
 突っ立っている賢の肩を台にすると狙いを定めて引き金を引いた。
 鳥は枝から垂直に落ちて、羽根をばたつかせながら地面を跳ねた。
 勝は走って鳥を押さえた。手に取ってみると弾は鳥の目をくりぬいていた。くりぬかれた眼から血が流れ出ていた。


 眼のない鳥。あのかわいらしい鳥の眼もこうなっては鳥とは思われない怖さで勝と賢に迫っていった。勝の手の中で鳥は何度かコクコクと体を動かし、やがて動かなくなってしまった。


 「帰ろうか。」と、勝が言ったのと、「帰ろうよ。」賢が言ったのは同時だった。


 勝は鳥を林の中に放り出すと賢と山を走り下りた。目玉のない目から血の滴り落ちている怪物が二人の後を追いかけて来るような気がして空気銃を担いで山を登った時よりも数倍の速さで、無言で我が家に辿りついた。


つぶやき45  子どもと遊べない先生

 後輩の教師からよく耳にするのだが、近頃の若い先生は子どもと遊べない人が多いということである。


 そこで、これから教師を目指すあなたへ O・Bから


 子どもの心をつかめる人になって欲しい。


 教育も恋も相手の心をつかまない限り前へは進めない。あまり遊ばずに勉強一筋で大学生になった人には、遊びや部活や自然体験に積極的に参加することを勧める。
 そうでないと頭だけで子どもを指導していこうとする傾向が強くなる。難しい教員採用試験をクリアしても学級経営はうまくいかなく学級崩壊が待っている。


 最初のふれあいで「驚きと新しい発見」を共有できるような活動を組み立てる。演出力と臨機応変に対応できる能力を身につけよう。


あなたの趣味や特技をうまく相手にぶつけることが出来るように準備をしておく。


 いきなり黒板一杯に漫画を描いた新卒の小学校女教師。
 鉄棒にぶら下がって大技を披露した男性教師、ポケットから一枚の葉っぱを取り出して「これなあーんだ」と投げかけた先生、袋からフルートを取り出して校歌を演奏した女教師、なぞなぞを投げかける先生、物語を朗読して聞かせた先生とほんのちょっとした演出で子どもの心をつかむことができた。


 彼らはみんな確かな学級経営や教科経営をしている。実証済み。


 最初の出会いが大切でその後は子どもとの生活の中で次に打つ一手が自然に出てくる。そうすると一年間の学習活動がスムーズに展開していく。


 しかし、新任の若い先生にそれを望むのは無理である。
 ここでベテラン教師や管理職の出番が大切になる。教師各人の個性が生きてくるような学校経営力が管理職に求められる。


                   それはどんな管理職であろうか。



つぶやき44   傾聴と観察で

 他人を変えようなどとは恐れ多いことだ。
 自分自身さえ変えられないで、他人をどう変えることが出来よう。


 80年の生活の体験から、自己反省にも、目標と内容と方法をしっかり持たなければ自己反省の効果はないことを知った。


 一番の資料は、身近な人の発言に素直に耳を傾けることである。自分ではわからないことを多く指摘してくれる。その中から自己点検の内容と方法を定めるのが良い。


 幸い、私には二人の率直な指摘をしてくれる人が身近にいる。


一人は妻であり、もう一人は娘である。段々と齢を重ねてくると友人や知人は指摘が柔らかいものになる。厳しい先輩はいなくなってしまう。


 「あなたは少しせっかちだから、何事にも一息入れてから行動を起こすといいと思います」
 「近頃、お父さんは車の運転が荒くなったよ。ゆっくりとスピード落としてね」


 その通りだと心にとめて一つ一つを確認して行動をしている。


 勿論、問題点の指摘ばかりではない。
 「あなたのアイデアは面白いからもっと深めてみては」
 「子どもとの遊びが上手でユニークだから、それをまとめてみたら」
 などと、良い点もたくさん指摘してくれる。


 ある牧場の経営者が、「牛のことは牛にきく」、ある造園業者が「松のことは松にきく」と言っていた。


 そうなんだ。子どものことは子どもに聞く。これが子育てや教育の基本なんだ。傾聴と観察で相手を正しく捉えることが出来たなら自ずと目標がはっきりと見えてくる。  


       どう行動を起こすかは、それからだね。