yukemuriのブログ

コント(掌編小説),いろはカルタ随想、江戸川柳色は匂へ、花かるた色は匂へ、趣味の5・7・5アラカルト俳句と川柳。

新しく「江戸を見れば」265年の整理に取り組んでいます。

江戸を見れば 60 芭蕉19歳  記録に残る最古の作品

 1662年寛文2年壬寅(みずのえとら)


 春やこし年や行けん小晦日(こつごもり)   宗 房


     季語は小晦日(師走29日)で冬。


 今日はまだ小晦日なのに立春となった。こんな場合でも春が来たといってよいのであろうか。それとも年が去ったというべきか。暦の上でもまれにある年内立春をとらえた一句である。


 実に素直に伝統を踏まえた一句である。
 俳諧の伝統として過去の作品を素材にいわゆる本歌取りの手法が作法の伝統であった。
 古今集の「年の内に春は来にけりひととせを去年(こぞ)とやいはむ今年とやいはむ」
 伊勢物語の「君や来し我や行けむおもほえず夢かうつつかねてかさめてか」
 上記二首に思いをはせて小晦日という生活の関心事を一句にまとめた。
貞門俳諧の伝統的な一句である。


 この年の1月に京都大火、皇居・上皇御所炎上。幕府は3月に京都方広寺の大仏殿を破壊してその金銅の大仏を鋳造して銅銭にした。それが文銭といわれる寛永通宝である。
 これは原銅の不足だけではなく、方広寺は秀吉から豊臣家に由緒ある寺であったことも一因であったろう。


 芭蕉19歳の俳句から51歳で没するまでの生涯の俳句を通して芭蕉の俳句の変化の様子を調べてみよう。