yukemuriのブログ

コント(掌編小説),いろはカルタ随想、江戸川柳色は匂へ、花かるた色は匂へ、趣味の5・7・5アラカルト俳句と川柳。

新しく「江戸を見れば」265年の整理に取り組んでいます。

江戸川柳 色は匂へ  「た」の3 鯛 4 大伽藍(だいがらん)

ひだを直しながら鯛の先へ立ち    威儀を正して進物にする鯛。


 江戸時代の鯛は、めでたい魚とされ祝に送る習慣があった。特別の魚である。


まだうごく尾へ奉書の紙をかけ    祝いの儀式、ありがたく頂戴。


 奉書=上意を奉じて侍臣・右筆(ゆうひつ)らが下す命令の文書。


鯛ぐらいただうんうんと御あいさつ  賄賂流行時代、鯛ではねえ。うんうん。


鯛肩身釣るまで待つと夫人なり    女の実利主義、まつわ、まつわ。


 鯛肩身=周の国の洒落。太公望が魚釣りの最中に文王に会い、迎えられ
夫人=貴族の妻の敬称。身分の高い女は簡単にはなびかない。まず実利が優先、いや全てかも。


4 大伽藍


大伽藍面白がって咳をする    わあ、すげー。ひびくひびく。


 大伽藍=大寺院。大きな建物の中で咳をするとこだまして大きくひびきわたる。面白がって何度も繰り返す無邪気な大人もいる。


小粒でも是見てくれの大伽藍   一寸八分でもこの大伽藍だぞ。


 浅草の観音堂。本尊は一寸八分でもこの大伽藍を見てくれ。



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つぶやき 122   だいじょうぶだいじょうぶ

 これまでに何度かもうだめかという思いが一瞬頭をよぎったことがあった。


 そんな時、いつのころからか「だいじょうぶだいじょうぶ」と口ずさむようになった。すると不思議と心が落ち着き生きる力がでてきたものだ。


「だいじょうぶだいじょうぶ」と口ずさむようになったきっかけは、36歳の夏、精神的にとても落ち込んで、今思えば軽い鬱の入り口であったのかもしれない、そんなある日書店で高神覚正著の般若心経講義の一冊を手にして、パラリとめくった189ページの冒頭に次のような一句が紹介されていた。


  浜までは海女も蓑きる時雨かな   瓢 水


『・・・やがて濡れる海女さえも、浜までは時雨を厭うて蓑をきる、この海女の優に優しい風情こそ、教えられるべき多くのものがあります。それはちょうど、ほんとうに人生をあきらめ悟った人たちが、うき世の中を見捨てずに、ながい目でもって、人生を熱愛してゆくその心持にも似ているのです。・・・』(高神覚正 般若心経講義より)


 私は即座に本を購入して、以来45年間手元に置いて何度も読み返し、書き抜いたりして、私の生きる力の支えにしている。
 俳句あり、川柳あり、短歌あり、小説からの引用も多く読みやすく体の芯まで入り込んで来る。
 海に浸かる瞬間まで、優しく包み込みいたわり励ましていくことを忘れずに生きていく。「だいじょうぶだいじょう」は私にとっての経文になっている。


  浜までは海女も蓑きる時雨かな  私を生かしてくれた一句です。

江戸川柳 色は匂へ  「よ」の3 吉野山 4 吉原(よしわら)

吉野山十七文字ではほめたらず   字余りで褒めたんだ。


 参考 貞室の俳句「これはこれはとばかり花の吉野山」は一字多い字余りの句である。


吉野山むだ花の咲く四十年   南北朝の戦で花見どころではなかった。


4 吉 原


吉原の方へ死んでも枕をし    北枕のこじつけ、男の性か。


 参考 江戸で唯一の官許の吉原は、男の社交場でもあった。男の関心は常に北(吉原の異称)にあり、死んでも北枕になって吉原の方に向かっていた。


吉原がたんぼへ引けて猪牙は出来   山谷に移って新吉原に


 参考 猪牙は猪牙舟の略。
 猪牙舟・猪牙船(ちょきぶね)は、猪の牙のように、舳先が細長く尖った屋根なしの小さい舟。江戸市中の河川で使われたが、浅草山谷にあった吉原遊郭に通う遊客がよく使ったため山谷舟とも呼ばれた。長さが約30尺、幅4尺6寸と細長く、また船底をしぼってある。


よし原は大坂ばかり他人にし  江戸町、京町、伏見町、大坂町がない。




つぶやき 121  がんばらなくていいんだよ

 入院している妻に声掛けをする。


「頑張らなくて、いいんだよ。もっと我儘にいきなさい。」


 いつもまわりに気配りして生活している妻はこれ以上気を使うとストレスがたまり体に良くない。そうでなくても病気をした人たちは、みんな大変な気の使いようである。何としても頑張って元の生活にかえろうと努力している。


「私が頑張らないとお父さんや周りのみんなに迷惑をかけるから。」
そう言って頑張っている人に「頑張って。」という言葉は禁物である。


 リハビリ担当の療法士さんが「頑張って。」という癖があって、妻はパニックを起こして落ち込んでしまう。
 気合を入れて励ます気持ちは分かるが、まずは心のリハビリから始めてもらいたい。相手の気質や体質を理解する能力が大切のようである。


「リハビリをしたくない時はしなくていいよ。できるだけのことを楽しんでやればいい。」
「いいえ。頑張ります。立ち上がること。車いすに移動できることを目的にがんばるよ。」
「がんばらなくて、いいんだよ。楽しくリハビリをしよう。」


 目的は、私の介護でベットから立ち上がり、私の介護で車いすに移動できればそれで十分である。


 それからのことは目的を達成してからのことである。お互いに「がんばらないで、ゆっくりいこう。」  私の遊行ライフだ。


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江戸川柳 色は匂へ  「か」の3 鏡 4 学問

おはぐろが喰いつくやうに鏡を見   真剣勝負の顔だ。怖いぞ。


参考 おはぐろ液を口の中に垂らすと異様な味がするので慎重を要する。


月食に向って下女はぬり立る     曇りかがみを手で拭いて・・・


鏡へむかい鼻など下女つまみ     つまんでもたこうはならんで


鼻息で近目鏡をくもらせる      まったく、メガネがくもる。


4 学 問


学問とはしごは飛んでのぼられず   すべてが継続の力に欠ける時代。


 特に外交の世界では継続の積み重ねがものをいう。拉致問題については日本政府の積み重ねの跡が見えない。アメリカまかせ。自らの働きが必要。


学問がたけて孔雀の尾は立てず    未熟者ほど飾りたがる。